AI歩行分析で「おかしな数値」が出ないようにしている工夫について

AIを使った歩行分析と聞くと、

「本当に正確なの?」
「動画の撮り方で変な数値にならない?」

と不安に思われる方も多いと思います。

実際、ただ骨格を検出して数値を出すだけでは、
体格や撮影距離、カメラのブレなどの影響を強く受けてしまい、
現場では使いにくい“おかしな数値”になりがちです。

そこで当サービスでは、できるだけ実際の身体状態に近い結果になるよう、いくつもの工夫を重ねています。

今回はその一部をご紹介します。


① 身長や撮影距離の影響を受けにくい「体格補正」

動画解析では、

  • 背の高い人
  • 背の低い人
  • カメラに近い人
  • 遠い人

で、そのまま計算すると数値が変わってしまいます。

そこで当サービスでは、

👉 脚の長さや肩幅など「その人自身の身体サイズ」を基準にした割合表示

を採用しています。

これにより、

  • 撮影距離の違い
  • スマホ機種の違い
  • 被験者の体格差

といった影響を大きく減らしています。

単なる「cm」ではなく、その人に対してどれくらい揺れているかを見る仕組みです。


② 歩行中でも特に重要な「立脚期」だけを使って評価

歩行中には、

  • 足を地面について体重を支えている瞬間(立脚期)
  • 足を振り出している瞬間(遊脚期)

があります。

実は、身体の安定性を見るうえで重要なのは
体重が乗っている立脚期です。

そこで当サービスでは、

👉 左足で支えている時
👉 右足で支えている時

を自動で判定し、それぞれ別々に解析しています。

これにより、

  • 左右差
  • 支持側ごとの不安定さ

がはっきり見えるようになります。

「なんとなくフラついている」ではなく、
どちらの足で支えた時に問題が出やすいかまで分かります。


③ 一瞬のブレや検出ミスを自動で除外

AIは非常に優秀ですが、

  • 一瞬体が隠れた
  • 手が画面外に出た
  • 服の影響を受けた

などで、まれに誤検出が起こります。

そこで、

  • 骨格が正しく取れていないフレーム
  • 極端に外れた値

は自動で除外しています。

つまり、

👉 明らかにおかしい瞬間は計算に使わない

という仕組みです。

これによって平均値が引っ張られることを防いでいます。


④ 「揺れ」は平均からのブレとして計算

身体の揺れを見る際、単純な最大値だけを見ると、

たまたま大きく動いた1フレーム

に影響されてしまいます。

そこで当サービスでは、

👉 平均姿勢からどれくらいブレ続けているか

を「揺れ」として計算しています。

これは臨床や研究でもよく使われる方法で、
普段どれくらい不安定かを表す指標になります。

瞬間的な動きではなく、
歩行全体の安定性を見るための工夫です。


⑤ 正面と側面を分けて解析

歩行は、

  • 左右のバランス(正面)
  • 前傾姿勢や膝の曲がり(側面)

で見るポイントが異なります。

当サービスでは、

正面動画 → 左右バランス・膝の内反など
側面動画 → 体幹の前傾・膝屈曲・接地傾向

というように、映像方向ごとに専用ロジックを使っています。

同じ計算を流用せず、それぞれに最適化しています。


まとめ

AI歩行分析は「自動だから簡単」ではありません。

実際には、

  • 体格補正
  • 立脚期抽出
  • 外れ値除外
  • 揺れの定義
  • 正面と側面の分離

など、かなり細かい調整を行わないと
現場で使える数値になりません。

当サービスでは、現場での実用性を重視し、
「変な数値が出ないこと」を最優先に設計しています。

これからも実際の使用データをもとに、
さらに精度改善を続けていきます。