AI歩行分析

1年半くらい前のブログにもある通り肩関節の角度を映像から関節座標を求めて測定するコードを作成しました。そして同じように歩行も映像から関節座標を取得して分析するコードを作成したのですが。頭から肩・骨盤・膝・足など関節座標が肩関節の角度を計算するよりも格段と多く、また時系列のデーターも大量になりAIの処理が困難で実用には難しい状況でした。そのため歩行分析を諦めた経緯があります。それからしばらく経ちましたがふともう一度やってみようという気になりました。幾度もトライしないとちゃんと動いてくれるコードを書いてくれませんでしたので根気よく少しずつでも毎日前進するように頑張ろうと気合を入れておりましたが。何とか実用に耐えられるものができました。コード作成やデーター処理も以前と比べると格段にAIは良くなっております。

AIで歩行の変化を見える化!機能訓練施術前後の違いを分析しました!

はじめに
「腰痛」や「関節の硬さ」は高齢の方によくみられる症状です。
これらは歩行に大きな影響を与えますが、従来は「何となくふらついている」「足が上がりにくい」といった主観的な評価に頼らざるを得ませんでした。
そこで当事業所では、AIを用いた歩行分析を導入しました。
カメラで撮影した歩行をAIで解析し、骨盤や膝、肩、頭の動きを数値化します。
今回は、実際に「腰痛と左股関節のかたさがある利用者様」の施術前後の歩行を比較してみました。

分析方法

分析方法
歩行を正面から撮影し、AIで関節の動きを数値化。
骨盤の上下動、体幹や頭の揺れ、膝の向き、ステップ幅などを解析。

臨床的サマリー

  • 体幹の安定性
    • 肩の傾きRMS(肩傾斜の揺れ幅)は 施術前122.9 → 施術後109.3度 と低下し、体幹の側方安定性が改善しています。
  • 頭部の動揺
    • 頭部の左右振幅/肩幅比は 施術前2.31 →施術後 2.12 とやや減少し、頭部の過剰な揺れが軽減。
    • 正規化した頭部の左右振幅は施術前 0.059 →施術後 0.078 と若干増加しており、揺れ自体は残存していますが、肩幅に対する比率では改善傾向です。
  • 骨盤のコントロール
    • 立脚期の骨盤ドロップは 施術前251.8 →施術後 212.6度 と減少し、骨盤の安定性が向上しています
  • 膝のアライメント
    • 左膝の外反ピーク(valgus)は施術前 180.0 → 施術後179.9度 と大きな変化なし。
    • 右膝の外反ピークも 施術前179.99 → 施術後180.05度 とほぼ同等。
    • ただし膝の内外反の平均値では、左膝が 施術前-31.7 → 施術後-2.2度 と改善、過度な外反傾向が軽減されています。
  • 骨盤前傾/後傾
    • 立脚期の骨盤傾きは 施術前-23.1度 →施術後 -4.1度 へ大幅に改善。骨盤の後傾過多が修正されています。

総合評価

  • 施術後には 体幹と骨盤の安定性が改善 し、左右差の偏りが軽減されています。
  • 特に 骨盤の後傾の改善、左膝の外反傾向の軽減 が臨床的に大きなポイントです。
  • 頭部の動揺は依然として残存するため、今後はバランス練習や頭部・体幹協調性の強化が課題となります。

以上がAIの歩行分析になります。臨床サマリー・総合評価部分の文章は全てAI作成です。これに基づいて機能訓練内容もアドバイスしてくれますがこの紹介はまた別の機会に。

今回、AI歩行分析を執り行いAIの更なる進化を感じ取れました。新人の理学療法士なみの歩行評価ができているのではないでしょうか。このまま技術が進歩すれば、おそらく4,5年後には理学療法士の評価ツールの一つになっているかもしれません。